モンテッソーリ教育とは その3
モンテッソーリ教育を実施している幼稚園の教室には、「モンテッソーリ教具」「モンテッソーリ教師」が存在します。そして「クラス」があります。この三拍子がそろっていて、モンテッソーリ教具の全体系を忠実に実践する教育方法のことを「モンテッソーリ・メソッド」と呼んでいます。
これに対して、「モンテッソーリ教育」という場合は、モンテッソーリ教具がなくても、モンテッソーリ教師としての養成を受けてなくても、誰でも利用することができる開かれた面を言います。それが何かといえば、モンテッソーリが開拓した「子どもの見方」「子どものたすけ方」です。人々がそれを利用するときに「モンテッソーリ教育」と呼んでいます。このことばは、モンテッソーリの専売特許ではありません。それは、子どもの本質に基づいた援助の仕方なので、誰でも同じ見方、たすけ方をすることができるからです。
また、付け加えて言います。「自分が発見したことは、生命の法則とそれに基づいた教育方法なので、人類の進歩とともに発展していくものだ」と。モンテッソーリが願ったことは、その基本原理がみんなに利用され発展していくこと、つまり、「塩」の役割を果たすことでありました。塩は自分の姿を消して全体を生かす役割を果たします。それと同じように、モンテッソーリ教育の「子どもの見方やたすけ方」が、多くの人に理解され使われていくうちに、それを使う人自身の子どもの見方・たすけ方となっていくことを願ったのでした。もはや、「モンテッソーリ教育」という名前を使う必要がなくなるわけです。
・・・つづく・・・