大切なこと
「家庭におけるモンテッソーリ教育」シリーズをお届けしてまいりました。お付き合いいただきましてまことにありがとうございました。わたしが大事にしてきたことのいくつかを再度ご紹介せていただきたいと思います。
- 「する、自分で!」と主張するとき、ひとりでできるようになりたいという、心からの叫びであるということです。その時、大人はじっと見つめてあげることです(観察する)。
- しかし、子どもはうまく「する」ことができません。しかし、「できない」のではなく、「やり方」がわからないだけなのです。そのとき、やり方をゆっくりと、丁寧に大人がして見せることです。やり方を説明するのに、多くの言葉は要りません。
- 子どもは、できるようになりたいので真剣に見ています。そのとき大事なのは、順序良く、正確に一つだけして見せることです。必要ならば、何回か繰り返してあげます。言葉で伝えるのではなく、行動で伝えます。その後に、必要ならば手短に言葉を添えます。
- 子どもの中には、自己成長の「プログラム」が内蔵されています。これがその子の個性です。みなの子が等しく同じ道のりを歩むわけではありません。したがって、他の子と比較して「あなたは・・」という評価は適切ではないと思います。子どもが何に敏感かを探しましょう。
- 教えながら、教えることです。つまり、子どもがしたことの間違いを、訂正する教え方ではなく、繰り返し「正しいやり方」を反復することです。結果として、間違いが訂正されます。忍耐が要ります。間違いの訂正をしようとすれば、言葉が優先してしまいます。言葉の理解が子どもになされないと、大人の心情が「プッツン」してしまいます。現代の教育観では・・・?!
- お子さまの語彙が増えてきますと、親に自己主張をし、「反抗している」かのように聞こえることがあります。これは「反抗期」でなく、ひとり立ちしようとする「独立期」なのです。「反抗」は誰かが誰かに「反抗する」というふうに使います。このような言葉、内容は子どもに無関係です。大人の世界の話です。
まだ他に大事なことはあったと思いますが、子どもを信じきることがもっとも大事なことの一つです。さらに、子どもは「遊び」だけで育つのではなく、「活動(仕事)」することで変化します。遊びはいつでもやめることができますが、活動はそうはいきません。大人の世界でも同じです。残業したり、仕事を家に持ち帰ったりします。自分に責任があるからですよね。
最後に、大人と子どもの違いは、「自己コントロールができるか、できないか」であります。大人はできるわけですから、忍耐強く、じっくりと、そして楽しく子どもを観察(観て察してあげる)してあげることではないでしょうか。
みなさま、ありがとうございました。
おわり